Top > セント・アンドリューズ城


*現実の城情報 [#information]

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北海に面するゴルフの聖地・発祥地として名高いセント・アンドリューズ。その海辺の堅固な岩場の上に建つ城。
セント・アンドリューズはピクト人のフィブ王国の重要拠点で、重要な貿易港でもあった。
やがて6世紀に修道院が開かれ9世紀には司教座に、15世紀には大司教座に昇格している。
街の財力を背景に建造されたセント・アンドリューズ大聖堂は、一時期スコットランドでもっとも大きな建造物だったほど繁栄していた。

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城自体は1200年前後にセント・アンドリューズ司教ロジャーの居館として築城された。
先述のように重要な拠点であり、13世紀から14世紀にかけての王位継承戦争・スコットランド独立戦争のなかで幾度も争奪戦の舞台となり城主が代わった。
1336~37年の攻城戦の後スコットランド側によってイングランド軍に利用されないように一度破却されるが、1400年ごろにウォルター・トレイル司教の手によって再び再建される。このとき堀が新設されたと記録にある。
1445年にはのちのスコットランド王ジェームズ3世がこの城で産まれている。時の城主・司教ジェームズ・ケネディはジェームズ3世が8歳で即位したときその後見人となった。

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1521年、大司教についたジェームズ・ビートンが新旧両派の緊張の高まりに備えて城を改修し、主に砲撃への備えを厚くした。
城を継いだ甥のデイヴィッド・ビートン大司教は1546年、エディンバラ城から移送されてきたプロテスタント修道士ジョージ・ウィシャートを王命により火刑に処す。
これがプロテスタントの反乱を招き城は落城、デイヴィッドは城の窓から吊るされてしまう。城はプロテスタント反乱軍のものとなり、王側の討伐軍との間で攻城戦が勃発する。

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イングランドが城の救援に来るという噂で討伐軍の戦力が分散させられたこともあり、篭城は10ヶ月にも及んだ。
その途中で宗教改革派の指導者ジョン・ノックスが仲裁に入ったものの、これは結局不調に終わった。
最終的に援軍にやってきたのはイングランドではなくカトリック国フランスが派遣した艦隊で、艦隊が連れて来たイタリア人傭兵隊長兼攻城専門家レオーネ・ストロッツィの指揮によって城は陥落。捕虜となった反乱派はフランスへ連行された。
なおノックスも同時に連行されガレー船の漕ぎ手として強制労働させられている。

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特筆すべきはこの攻城戦の時に使われた城壁を崩すために掘られた坑道と、これに対抗して城側が掘った坑道が現存していること。
投石器などの中~近世の攻城兵器がある城は多いが、同じくらい重要な戦術だった坑道戦戦術の実物が残っているのは貴重である。
この坑道は19世紀後半になって再発見され保存処理されたものである。

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1546年の攻城戦ののち再び再建されたが、1571年に大司教が死ぬと大司教の所有から没収され王によって城代が任じられた。
さらに宗教改革の進展で大司教の権力が削られていくに従って街も衰退し、城も放置されやがて廃城となった。
1656年には港の桟橋を修繕するために城の石材が使われた記録が残っている。
現在ではヒストリック・スコットランドの管理下で一般公開されている。

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|所在地|スコットランド、ファイフ、セント・アンドリューズ|
|現存状態|城壁、城館の一部|
|城郭構造|囲郭式城郭、平城|

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**城郭構造
[[ダノター城]]と同じく北海沿いの頑丈な岩場の上に建つ。
主な建物は海側と陸側に分散しており、それをさらに城壁で囲んだ比較的単純な囲郭式城郭。
現存しているのは城の主郭のみ。そのうち城館の一部と城壁、矩形キープの跡が残る。
ヨーロッパの城には地下牢が付き物だが、この城は下が堅固な岩盤で掘削に手間がかかるため、単純に城館の底から竪穴を掘っただけのものを牢獄として使っていた。

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