シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の舞台として知られるヴェローナに築かれた城で、カステル・ヌォヴォ?(新しい城)とは対照的に「古い城」を意味する。 ヴェローナはヴェネツィアとミラノの中間に位置し多数の街道が交わる北イタリアの要衝で、ローマ、ナポリに次ぐ規模のコロッセオが残るように古代ローマ時代から重視された。 中世には『ロミオとジュリエット』に描かれたようにデッラ・スカラ家、ヴィスコンティ家、カッラーラ家による権力闘争が展開され、カステルヴェッキオはデッラ・スカラ家のカングランデ2世によって1354~1376年にかけて築かれた。 ヴェローナはアディジェ川がU字型に湾曲した内側に建設された天然の要害だが、カステルヴェッキオはこのアディジェ川に面して築かれた。周囲はアディジェ川と水堀によって守られ、7つの塔を持つ堂々たる構えだった。 特にアディジェ川に架かるスカリジェロ橋は、城壁の一部であるかのように胸壁が設けられ、城への入り口には塔を備えた城門が置かれるなど、城塞化された大橋といえる。
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ヴェローナはカッラーラ家が断絶した後、ヴェネツィア共和国、ナポレオン、オーストリアなどに支配され、最終的に統一イタリアに組み込まれたが、その間にカステルヴェッキオは破損が進み、1926年に復元されたのが現在の姿となる。 またスカリジェロ橋は第二次世界大戦でドイツ軍によって破壊され、戦後旧材料を用いて復元された。 城の周囲をめぐっていた堀は道路拡張などの開発によって埋め立てられ、現在はその大半が失われてしまっている。 城自体は現在市立博物館となっており、2000年には「ヴェローナ市街」の一部として世界遺産に登録され、2010年には日本城郭協会によってヨーロッパ100名城に選定された。
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