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須々万沼城 のバックアップ(No.2)
現実の城情報
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| 所在地 | 山口県周南市須々万本郷字要害 |
| 現存状態 | 土塁など |
| 城郭構造 | 沼城 |
沼をわたる女伝説クリックで表示
須々万地区には沼城の戦いを物語る哀話として「沼をわたる女」伝説がある。
毛利元就は北から沼城を見下ろす緑山に、小早川隆影の一隊は南から日隈山に陣取り沼城を攻めたが、山崎伊豆守は近くを流れる小辻川を東の山の狭いところでせき止め、城の南にある沼を広げて、毛利軍が攻め寄れないようにした。低い土地は一面の水浸しになりますます攻め込むことが難しくなり勝敗はつかず1年がたった。
春のある夜、籠城する沼城にて赤々と灯りがともされ酒盛りが開かれた。にぎやかな歌声が沼の水にわたり、緑山にこだまし、毛利軍にも聞こえ困惑させた。
そのとき沼をゆうゆうと渡っていく人影があった。人影は沼城の方へ進んで行く。
両軍の兵士の目が一斉にその女に集まった。女は人の歩く姿ではなく、何かの化身を思わせるような素振りで先へ先へと静かに渡っていく。
辺りは静まり返って物音ひとつ聞こえない。浅瀬をわたる水の音がぴたりと止む。その静けさを破るように悲しそうな女の歌声が聞こえてきた。
恋ふ人は沼の彼方よ 濡れぬれて わたるわれをば とかめ給ふな
(私の大事な人は、沼の向こうにいる。沼の水と涙にぬれながら、沼を渡っていく私を叱らないでほしい)
歌い終わった女は再びかすかな水音をたてながら沼を渡り、とうとう沼城へと渡っていった。
この様子をじっと見ていた隆景は、その不思議な女の渡ったところから攻め込めば沼城はきっと落とせるに違いないと考えた。
そこで用意していたスノコやムシロを次々と敷くと、その上を通って毛利軍は沼城になだれこんでいった。さしもの沼城もついに落ちた。
出典:山口の伝説 編/山口県小学校教育研究会国語部 出版/日本標準
Published by (C)DMMゲームズ
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