信濃国守護小笠原氏の居城。松本盆地は中世には府中と呼ばれ、小笠原氏の守護所である井川城が置かれていた。 小笠原氏が15世紀半ばに三つに分裂した際、井川館を本拠とする一族は府中小笠原氏と呼ばれ、長禄3年(1459年)に小笠原清宗が築き新たな拠点としたのが林城である。 清宗の孫にあたる長棟が小笠原氏を統一し、林城は小笠原氏の本城として信濃国守護にふさわしい規模の山城となったが、長棟の子の長時は天文19年(1550年)に武田信玄に攻められ林城は落城した。
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林城は林大城と林小城という2つの城からなり、単に林城と呼ぶ場合には一般的に林大城のことをいう。 林城の主郭は標高846メートルの山頂にあり、そこから山麓まで伸びる長い尾根上には連続した竪堀や堀切で防御され、小規模な曲輪が延々と築かれている。この構造は小笠原氏の山城に特徴的なものであり、本城である林城を守る支城の桐原城、山家城、埴原城にも見られる。
井川城や林城を中心とする小笠原氏の関連城郭は、室町時代から戦国時代に至る領主の居城の在り方を示すとともに、信濃国の政治的・軍事的動向を知る上でも重要なものと評価され、国の史跡に指定される見込みとなっている。
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