スコットランド低地地方の中でも最もイングランドに近いダンフリーズ・アンド・ギャロウェイ地方の南部、ニス川の河口部近くにある城。 カーラヴァロックとはカー・ラヴァロック=ヒバリの巣の城、の意。 珍しい三角形の城であり、また建設から廃城までの400年近くの間スコットランドの有力氏族であるマクスウェル一族の居城であった。
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1220年ごろ、スコットランド王アレグザンダー2世よりこの地を与えられたジョン・マクスウェルによって建設された。 このとき建設されたのは方形の城で、周りに濠をめぐらせ北側の橋で外と連絡していた。スコットランドの石造城砦としては最も古いもののひとつと言われる。 しかし湿地帯に建てたためにやがて城が傾いてしまったらしく、50年ほど経って500フィートほど北側に建てなおされたのが現在の城。
城地は1辺200フィート(70メートル弱)ほどの三角形で、周りを水濠で囲まれている。 大きくはない城だが、スコットランドの中でも一番イングランドとの国境に近い城のひとつだったため、何度も戦闘に巻き込まれ何度も破壊された。 そのたびにマクスウェル一族によって再建され、そのため城内は各時代に建築・修築された部分が混ざっている。 1640年の攻城戦では13週間耐えたが降伏、ついに放棄された。 なお、この最後の攻城戦の敵はイングランドではなく、スコットランドのプロテスタント系長老派教会軍(カヴェナンター)。マクスウェル一族がスコットランドでは少数派のカトリックであったことから攻撃されたのだった。
北側の主城門は二本の塔で構成され、天然の岩盤の上に建つ。それ以外の部分は(初代の城の反省を活かして)粘土質の盛土の上に築かれた。 三角形の残り二つの頂点にもそれぞれ城塔が配されていた。西南角の塔は残っているが東南角の塔とその間の南側の城壁は崩れ落ちている。 南側には初代の城の遺構も残っており、遊歩道で繋がっている。
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