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1020年、コンラディン家が没落したためトリーア大司教によって購入された。
1160年にヒリン大司教が堀を深くしたり、貯水槽を作ったりと改築を行った。
1524年、大砲技術の発展により、リヒャルト大司教は重さ9ｔもある巨砲「グライフ」を鋳造させ、堡塁に据え付けさせた。
この「グライフ｣は、150ポンド(約64.5kg砲弾)砲で当時のヨーロッパで最大の大砲であった。ちなみにフランス軍標準最大大砲が64ポンド砲である。
1618年から始まった三十年戦争では、神聖ローマ帝国と交戦中だったスウェーデンとフランスが同盟を結ぶと、1632年ゾーテル大司教はフランスに通じ城を明け渡した。
帝国軍は1635年にゾーテル大司教を捕え奪い返すも、1637年に再び占領されてしまった。1650年にカール副司教が取り戻すと修復と拡張を行った。
1729年、トリーア選帝侯に選ばれたフランツは建築熱心で城をバロック様式に改めた。

フランス革命戦争が起こり国家総動員法が可決すると、1795年から4度に亘って攻められ、1798年の4度目では1年に亘る兵糧攻めの末翌年降伏した。
だが、1801年のハプスブルク帝国とフランスのリュネヴィルの和約ではフランス側が譲歩し、城から兵を引かなくてはならなくなると
フランス軍は退去時城を爆破、「グライフ」も持ち去ってしまう。廃墟はフランス主導のライン連邦の1つナッサウ＝ヴァイルブルク侯国領となるが、
1815年のウィーン会議の結果、ナッサウ公国がドイツ連邦に所属すると城はプロイセン王国の物となった。
フリードリヒ・ヴィルヘルム3世プロイセン王は、「コブレンツ市とエーレンブライトシュタイン要塞の改築強化に関する指令」の基、大々的な築城を行った。
当時最先端のドイツ式多角形型要塞で行い1817年～1828年まで続き、さらに市街地も含めると1834年まで続いた。この改築でジブラルタル要塞に次ぐ世界2位の要塞となった。

第一次世界大戦では空襲に遭うも陥とされることは無く、ヴェルサイユ条約ではドイツ国内の要塞が殆ど破壊されるも難を免れ、
第二次世界大戦で再び空襲に遭いコブレンツの街が灰燼に帰すなか、城壁や一部の建物に損害は遭ったものも無事生き延びた。
なおフランスに囚われた大砲「グライフ」は、1940年ドイツ軍がパリを占領し取り戻したが、ドイツ降伏後の1946年再びパリへ持ち去られ、1984年独仏条約で「永久貸付」の基、ようやく戻ってきた。
現在はラインラント＝プファルツ州所有で州立博物館とユースホテルとなっている。2002年、世界遺産『ライン渓谷中流上部』の一部に登録された。