スペインの首都マドリードから北東約30kmのところにある修道院。 修道院とあるが、スペイン王の夏の宮殿*1・霊廟・図書館等を併設している複合施設である。 始まりはスペイン王フェリペ2世がフランスとの戦いに勝利したことを記念して、1563年に着工し21年後の1584年完成した。 彼はヨーロッパで革新的だった書類による官僚システムを作り上げ「書類王」とあだ名される程、この宮殿に籠り政務を行った。 と同時に読書家で、マドリードの王宮にあった蔵書をこの地に移し西ヨーロッパ最高の図書館にしようと着手した。
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建物その物を手掛けた学者、ファン・デ・エレーラ等によってヨーロッパ各地やオスマン帝国から蒐集され、 スペイン・ギリシャ・ラテン語はもちろんヘブライ・アラビア・中国・日本語の書物もあり、1576年の目録では約5000冊だった。 その後も子や孫も収集を続け数万冊を超え全盛期を迎えたが、1671年の大火、さらにひ孫カロルス2世は子供を残さずに崩御したため、スペイン継承戦争が勃発。 フランスのブルボン家が王位を獲得すると、フランスへ本を輸出してしまい衰退していった。 以後も1814年スペイン独立戦争でフランス軍の略奪を受け、1820年の立憲革命で創建以来管理していたヒエロニムス派は去ってしまった。 1869年には大学となるも、1885年聖アウグスチノ修道会に渡され再び修道院として活動している。
1984年世界遺産「マドリードのエル・エスコリアル修道院とその遺跡」として登録された。
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