ロワール渓谷の古城群のなかでも一際小さい城がアゼ・ル・リドー城である。しかし、初期のフレンチルネサンス様式が取り入れられた城は非常に繊細で、フランスの文豪バルザックは「アンドル川に煌めくダイヤモンド」と評した。 もともとは城塞のあった土地だが、14~15世紀の百年戦争が原因で焼失した。その後1514年~27年にかけてフランソワ1世の治世下で徴税官兼トゥール市長を務めていたジル・ベルトロがかつての城を基礎に築城を始めたのだ。 だが築城は結局彼の手中では完成しなかった。というのも1528年ごろ、ジル・ベルトロが横領の罪を罪を疑われると城は未完のまま没収されてしまう。以降、増築が繰り返された城は1905年に国の所有となり内装を一新、いまは一般公開されている。 城の周りには湖や大きな池のように広大な水面が複数個所広がっている。湖は庭装飾の一部と考えられ、整然とした庭と連結しており、そこに挟まれた城は近くで見るよりも少し遠くで、それも鳥瞰して見るとその美麗さがより一層実感できる。
コメントはありません。 Comments/アゼ・ル・リドー城?
コメントはありません。 Comments/アゼ・ル・リドー城?